同じクエルナバカに日本人助産師様がいたなんて！！
陽子さんと出会ったのは娘が１歳になってからでした。
娘たちが同い年ということで一緒に集まるようになって聞いたのが「実は助産師なんです」、という一言でした。この言葉は本当に衝撃的で、率直に「何でもっと早く知り合えなかったのか！」と悔しくなったのを覚えています。
私はいわゆる「できちゃった」でした。なのでもちろん彼と一緒に住んでもおらず、住む街も彼はクエルナバカ、私はメキシコシティでした。当時は仕事もしておりましたので、すぐに辞める事もできず妊娠８ヶ月頃まで一人暮らしをしていました。でもそうなると、IMSSでの検診は一人で、スペイン語は話せるにしても専門用語はチンプンカンプン。ただただ赤ちゃんが無事に生きていると言う事を頼りに頑張ったのを覚えています。
まずはここで！陽子さんと既に出会っていれば、こんな最低限の事を頼りにするのではなく、他の事に気が回ったんだろうなぁと思います。陽子さんに知人を紹介する際、「どんな出産をしたいのか、って聞いてみて」って言われた時、目が点になりました。え、そんな事こっちが選べるんですか？って。私はとにかくIMSSが進めていくとおりに手続きを済ませ、運よくスピード出産だった為に帝王切開を進められることもありませんでしたが、「メキシコは世界第一位の帝王切開大好き国」って陽子さんから聞いた際は、自分はただ単に運が良かっただけか！って恐ろしかったです。また、「次男を水中出産する」って陽子さんから聞いたときも、「え、何それ初耳！！」でした。普通の妊婦さんと違い、何も調べずに流れにそのまま流された私も悪いのですが、「出産って自分が全部決めるものな
んだ！」ってそこで初めて理解しました。
メキシコでは選択肢を与えられません。でも陽子さんに相談すれば、多くの選択肢・可能性を与えてくださいます。もちろん流れに流されても出産は問題なくできます。でも実際に私は妊娠期間や出産の思い出が少ないです。なのでやはり、陽子さんが掲げる「人間的なお産」を味わってみたかったなと常々思います。
更に子育て。母親学級なんてものを受けずに(そして調べずに)出産した私は、常にぶっつけ本番。自然分娩で出産できたのは良いものの、８時間後には退院と告げられ、出産後に何が必要かも知らなかった私は旦那や義母に服などを適当に持ってきて貰う始末。家に到着しても、何から始めたらよいのやらでテンヤワンヤでした。幸い義母が産後１ヶ月間は娘のお風呂介助に来てくれたり、ご飯を持ってきてくれたりと、かなりのサポートをしてくれ助かりましたが、彼女がいなかったらどうなっていた事やらです。
新生児は２～３時間ごとに授乳という事も産後に知り、夜泣きさえ無ければ夜は寝れるものと考えていた私ですが、夜中に赤ちゃんが寝ていても起こして授乳して下さい、なんてメキシコ人の小児科医に言われた時は、軽いショックでした。
でも！後々陽子さんに聞けば「無理に起こしてあげる必要はない」との事でした(別に授乳して悪いことは無いのですが)。郷に入れば郷に従えとは言うものの、従い過ぎてはいけないようです。更には、陽子さんの次男君が産まれ、オムツを替えている際にフと気付いたことがありました。「あれ？今ウェットティッシュで拭いてた？」と。そこで質問してみると「えー！？新生児の間はおしっこなら別に拭く必要ないよー！」と逆にビックリされました。
結局こういうところなんです、私が知らなかったことって。本当に些細な事でも、メキシコでは聞かないと教えてもらえません。もちろん聞けば教えてもらえますが、それこそ「拭かなくていい」なんて概念そのものがないと、質問すらしませんよね。こういうときに陽子さんの母親学級を受けていれば産後にバタバタする事もなかったでしょうし、無駄に夜中に起きる必要も無かった、更にはウェットティッシュに掛かったお金さえもバカバカしく思えます。基本の知識を与えてもらえる、これがどれだけ素晴らしい「人間的なケア」だろうかと思います。
もし２人目を妊娠したら、次こそ陽子さんに指導を一からして貰いたいと願います。子沢山のメキシコですから、「出産」はできます。でも、少しでも多くの思い出や、「人間味の有る出産」を願う方には、心より陽子さんのサポートをお勧め致します。
